第1章   再会

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まだ信じられない。 どうしても信じられない。 それもそのはずだ。 事が大きすぎる。 大き過ぎて、私にはどうしてもまだ呑み込めない。 たとえ、絶縁状態にあったとしても、 妹とは血のつながった家族である。 それだけは疑いようもないし、消し去れることでもない。 だから、 だから・・・。 そんな身近なところで、 私のすぐそばで、 こんなことがあるものだろうか、 起こるものだろうか。 横領・・・こんなことはテレビのドラマだけの世界のことなのだ。 あるいは、どれだけ世間ではそんなことが起こっていようと、 それはあくまでも私にすれば他人事なのである。 誰かが どこかで 起こしていること。 横領なんて、私にはそんなことなのである。 全く別世界の話、 そう思うことに今まで疑ったこともなかったのである。
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