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まだ信じられない。
どうしても信じられない。
それもそのはずだ。
事が大きすぎる。
大き過ぎて、私にはどうしてもまだ呑み込めない。
たとえ、絶縁状態にあったとしても、
妹とは血のつながった家族である。
それだけは疑いようもないし、消し去れることでもない。
だから、
だから・・・。
そんな身近なところで、
私のすぐそばで、
こんなことがあるものだろうか、
起こるものだろうか。
横領・・・こんなことはテレビのドラマだけの世界のことなのだ。
あるいは、どれだけ世間ではそんなことが起こっていようと、
それはあくまでも私にすれば他人事なのである。
誰かが
どこかで
起こしていること。
横領なんて、私にはそんなことなのである。
全く別世界の話、
そう思うことに今まで疑ったこともなかったのである。
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