第6章

13/30
前へ
/30ページ
次へ
「ーー吉乃 壊れてしまいたいほどに つらいか? わが子が 敵方に捕らわれているのが…?」 私は 考える機能をなくした頭では この甚五郎の命を救うすべての鍵を握った権力者を前にして 何をいうべきか もはや 何もわからなかった つらいか?と聞かれ こくりと素直にうなずいた この状況がつらくない母などいるわけないのに この方は なにゆえにこのようなことを聞くのか?
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

305人が本棚に入れています
本棚に追加