第6章

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「吉乃ーー 伝えるつもりはなかった 甚五郎の命を救えたか 救えなかったか そのどちらかしか お前に告げるつもりはなかった だが 壊れてもらっては  ーー母が壊れてしまっては甚五郎を救い出した後 その息子が困ろう… まだ わからぬ 救えるかどうか あいまいなことを口にだすのは 俺のやり方ではない だが お前に伝えておく ーーー 甚五郎は六角家の城内で ちゃんと生きておる 食事もきちんと与えられ 城内を 監視役をつけてある程度 自由に歩くことも許され 体調も壊していない 剣術も学び 学問も学んでおる 生きておる、しっかりと ゆえに 母であるお前も しっかりと生きよ」
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