第8章

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「この藤色の衣は 夫から贈られたもの… 死ぬならば この衣で死にたいとこの衣を着て 織田の城門に立ちました この藤の薄紫の色は、代々小倉家の正室が愛用してきた色 六角家とてそれくらいは知っておる それに、お清はわたくしと同じ背格好で年も変わらぬ このようなときのために お清は我が母に見初められ 小倉家の侍女として仕えることになったのであろう ですので、お清、 頼みましたよ 皆の者も 三崎家では お清をわたしとして 小倉家の正室として 扱いなされ 六角に悟られてはなりませぬ」
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