小林家の一大行事

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穏やかな春を迎え、季節は梅雨にさしかかる頃。 今日の陽が落ち月が出る。 空にはまばらに雲が流れ、星がちらほらと輝いている。 雨も降らず風もほとんどない、とある日の、夜のことである。 ―――ここはとある街のとある住宅街。 田舎ともいえず都会ともいえない地域にたたずむ、これまたとある一軒家。 薄茶色の壁が印象的な二階建て。 いつもなら窓から光が漏れている時間帯であるが、どこもかしこも真っ暗である。 表にかかる表札にしっかりと刻まれた文字。 「小林」
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