第一章

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「どうして街の人達と一緒に暮らさないの?僕はおねーさんと毎日こうして話したい」 むしろ、どうしてあんな奴らと一緒に暮らさなくちゃいけない。  質問の正解を探す。 誤魔化すための偽りの答えがみつからない。 いっそ素直に話してしまおうと思った。 「昔は暮らしてた。大切な人も出来て幸せだった」 「じゃーー」 「でも、誰かが言ったんだ。        “化け物”って」 「化け物…」 青年が声にならない声をあげた。 きっと先の結末がわかってしまったんだ。 「大切な人が目の前で殺された。 気が狂いそうだった。憎くて仕方なかった」 声が震えて、自分が泣いていることに気づいた。 「またあの眼を向けられたら、きっとみんな殺してしまう」 そして自分がその考えに納得していることが何より怖い。 「まさかおねーさんも…」 「殺された。     だから、化け物だ。」 「違う!」 青年は俯いた。
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