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私は死なない。
否、死ぬことが出来ないのだ。
青年は怖がるだろう。
目の前に居るモノの正体を知ってしまったのだから。
知らなければ良かったと嘆く。
みんなそうだ。
顔を上げた青年は、泣いていた。
どうして…
「僕にはおねーさんの心を癒やす術もなにもない。
でも、僕は化け物とかそんなの関係なくおねーさんと一緒にいたい。」
手を掴んで、私の目をしっかり見つめ言われた言葉は空中をさまよい、やっと頭に届いた。
…恥ずかしい!!
こいつはいつもぺらぺらとっ!!
「そう思ってるのはお前だけだ!」
乱暴に言葉をぶつけて、手を振りほどいた。
手の温もりが消える。
立ち上がり森の方へ向く。
にやけた顔を見られたくなかったのだ。
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