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林から出て来たのは、年齢層がばらばらな街の人々。
剣や弓など様々な武器を持ち、こちらを睨んでいる。
「お前が魔女か」
魔女。
私をそう呼んだ男は、あまり手入れのされていない伸びた髭を揺らした。
「俺は貴様をずっと探していた」
男は目を見開き愉快そうに笑う。
「私はお前を知らない」
「だが俺は知っている。
昔、俺の叔父の記憶を全て消した貴様をな」
ふと、全ての記憶を無くして赤子のように泣き叫ぶ顔を思い出した。
あの時は無我夢中で力の制御も何も出来ていなかった。
「確かに街の奴らの記憶を消した。
だが、先に手を出したのはそっちだ」
「貴様は火炙りにされても死ななかった。
それは貴様が魔女…いいや、化け物である証拠。
殺される義務なんだ」
「話が通じないのか?
証拠とかどうでもいい。悪いのはお前達だ」
義務だと?
そんなものあってたまるか。
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