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「おねーさん逃げて!」
青年を掴んでいた男がナイフを取り出した。
それは青年の首へ振り下ろされる。
「させるか!!」
体を沈めて思いっきり跳び、そのまま男を刈った。
男は力なく膝から崩れ落ちた。
街の奴らは、目で追えない速さで移動した魔女が男に何かをした。
くらいにしか認識出来なかっただろう。
青年は静かに私を見つめる。
ずっと心に詰まっていた言葉をぶつけるために、重い口を開いた。
「青年、明日はないんだ。
嘘をついた、ごめん」
彼を庇うように前へ出る。
「ねぇ…殺してない、よね?」
頷き、恐る恐る振り向くと、こちらを見て笑っている青年。
「やっとおねーさんの本心が聞けた」
ああ、なんだ。バレてたのか。
私が想像してたよりも青年はずっと大人だったんだ。
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