第一章

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俯いた私を横目に、街の人々は赤い煉瓦の家をハンマーなどで壊そうとしている。 どうでもよくなってしまった。 「おねーさん!!?家が壊されちゃうよ!!     うわぁ!!」 続く大きな地響きに、青年は心配そうにこちらを見上げ、目を見開く。 「泣いてるの?」 青年は目元の雫を指ですくってくれた。 「すまない。すぐに止める」 「おねーさんは強いね。僕がおねーさんだったら耐えられない」 キッと地面を睨みつけた。 私はゴシゴシと袖でふき、前を見据える。 どうやって切り抜けるか考えるんだ。 早くしないと魔法使いに囲まれて逃げれなくなる。 「青年、目を瞑ってくれないか?」 「え?」 どうして?と此方を見上げた。 「お前に嫌われるのが怖いからだ」 「嫌いになんかならない!!」 ふふ、と笑う。 「わかってる。でも、お願いだ」 青年は「うん」と力なく頷いた。
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