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目を閉じたことを確認し、鎌を構える。
「ルゥ…」
“姫、一気に刈りますか”
感情のない淡々とした声が、なんだか心地よかった。
「頼む」
そう呟き私の魔力を流し込む。
鎌は光を放ち、だんだんと膨れ倍の大きさにまでなった。
行こう。
私の家まで飛び、鎌を振り上げ切り裂いた。
一回で何十人もの人々が崩れ落ちた。
何回も、何回も何回も繰り返す。
鎌の重さに腕を下げた時には、立っているものはいなくなっていた。
「終わったぞ、青年」
恐る恐る目を開けた青年は恐怖に顔をひきつらせた。
「こ、殺してないんだよね」
先ほどと同じ質問、同じ回答。
結界にひびが入り壊れるのは時間の問題だ。
私の家もほとんど壊されて、大好きな花は踏み潰されていた。
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