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青年が頭を優しく撫でてくれる。
「私…自分自身を偽って、生きることを忘れてた。大馬鹿者だ」
「でもおねーさんはそれに気づけた。これから進んでいける」
「お前は不思議な奴だな」
自然と涙は止まり、彼の顔を真っ直ぐ見つめる。
出会った頃は壊してしまいそうなほど小さかったのに、いつの間にか彼はこんなに成長している。
「君の笑顔が好きだ。
その透き通った瞳の色も、包み込んでくれる声も。」
語尾が少し震えてしまった。
これではかっこいいおねーさんではなくなってしまうな。
でも、本当に救われた。
「ありがとう、あおくん」
「っ!!
おねーさん!名前はーー」
「ガーディネ・ランファ
それが私の名前だ」
「おねーさんみたいに力強くて優しい名前だね」
「………」
「またね、ランファおねーさん」
青年は泣きながら、花のように笑った。
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