第一章

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青年が頭を優しく撫でてくれる。 「私…自分自身を偽って、生きることを忘れてた。大馬鹿者だ」 「でもおねーさんはそれに気づけた。これから進んでいける」 「お前は不思議な奴だな」 自然と涙は止まり、彼の顔を真っ直ぐ見つめる。 出会った頃は壊してしまいそうなほど小さかったのに、いつの間にか彼はこんなに成長している。 「君の笑顔が好きだ。 その透き通った瞳の色も、包み込んでくれる声も。」 語尾が少し震えてしまった。 これではかっこいいおねーさんではなくなってしまうな。 でも、本当に救われた。 「ありがとう、あおくん」 「っ!! おねーさん!名前はーー」 「ガーディネ・ランファ      それが私の名前だ」 「おねーさんみたいに力強くて優しい名前だね」 「………」 「またね、ランファおねーさん」 青年は泣きながら、花のように笑った。
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