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「魔王様ぁぁぁぁ!!!
いらっしゃいますか魔王ぁ!!?」
「うるせぇぇぇ!!」
高い声が城の中を駆け巡った。
城にいたものは「またか…」と苦笑した。
その声の張本人は王座にふんぞり返り、見下した。
幼い容姿、色素の薄い緑色のサラサラな髪。
美少年という言葉が相応しい美貌。
だが、彼の纏うオーラは誰も寄せ付けないような威厳を放っていた。
「てめぇ、毎回うるせぇんだよ」
「申し訳ございまさん、魔王様」
魔王と呼ばれた少年はふん、と鼻で笑い足を組み直した。
少年の前に跪いた女性は、頭に生えている獣の耳を上下に動かし、がばっと顔を上げた。
「魔王様!
ビックニュ~スですよ!!!」
「早く言え」
どんどん魔王様の顔が怒りに染まっていくのも気にせず、女性は勿体ぶる。
「え~どーしよっかな~。
まおーさま知りたいですかぁ?」
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