第二章

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青々と生い茂る森。 腰まである草を切りながら、ランファは息を潜めていた。 魔物の数は10体。 楽勝だな。 群で行動するウルフはある程度の距離をお互い保ちながら行動する。 それによって幅広く臭いや音を集め、敵がいないか確認しているのだ。 だが耳と鼻が良いことなどランファには関係ない。 「一撃で殺る」 百メートル以上は離れているであろウルフに手を翳した。 「水豹」 上級魔法を詠唱なしで発動し、豹の形をした水があっという間にウルフの群れを蹴散らした。 ランファは常に自分の魔力を周囲に張り巡らせている。 そして魔力に触れたものを感知することが出来るのだ。 魔力量を計る道具が壊れるくらい彼女の魔力は多い。 だからこそ出来る荒技だ。 「街まであともう少し、か」 ひさびさの運動で体がついてこないな…。 きつい。 「はぁ…」 本日何回目になるかわからないため息をついた。
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