第二章

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中はこれまた汚い。 テーブルは壊れているものもあり、歩く事すら疲れる。 それにギルドとは思えないほど酒くさい。 まるで居酒屋だな。 私を品定めをするかのように、じろじろ下品な目で見つめる。 昔の私なら、気持ち悪くてこいつらを皆殺しにしてる。 まぁ『魔女』の私なら、の話だけど。 「指名手配書って見れるか?」 「ああ、これだ」 そう言ってカウンターの男が出した埃まみれの本をめくる。 1ページごとに指名手配犯の顔写真と名前、特徴などが書かれている。 私は……ん? 「魔女は?」 「魔女は一番後ろだ。 でも嬢ちゃん、魔女だけはやめとけよ。 何日か前に魔女の通報があったけど、帝様が着いたときには街人は誰も魔女の事を覚えてなかったそうだ。 記憶を消されちまったんだよ。 恐ろしいもんだぜ」 その噂の魔女が目の前にいるよ。 でも、そうか。 もう広まってるんだな。 あおくん元気かな? 「って、弱気になってどうする、私」 「なんか言ったか?」 「別に」
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