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彼女はーー…
ヤーサ国にアルデゥという大きな街がある。
その街はずれ、紅葉した森の中に、ぽつんと小さな家が建っていた。
赤茶色のレンガが積み上げられた壁には蔦が絡みつき、屋根にはコケが生えている。
突き出た煙突は白い煙をあげ、人が住んで居ることを示した。
周りの花壇には、色とりどりの小さな花が咲いている。
その花々を愛おしそうに見つめる女性。
珍しい白銀の髪はリボンで無造作に一つに纏められていた。黒に白い線が入った服は、肩と胸の部分がふっくらしてるのに対し腰は絞まった作りになっている。
立つときに膝までのスカートがふわりと浮いた。
髪から覗く深い紫色の瞳、それを彩る長いまつげ。
彼女の一つ一つが美しい。
雨水を溜めた大きな樽から水をくみ、種をまいた土に丁寧にかける。
乾燥していた土は勢いよく水を吸った。
少し肌寒くなってきた季節。
彼女は空を見上げ呟いた。
「またこの時を廻る」
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