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その後も少年は時々私のところへ遊びに来た。
もちろん街の人達には内緒で。
少年と花は、私に時間を教えてくれる。
少年と会って三回目のこの季節がやってきた。
彼の大好きだった花が咲く、じめじめした季節。
紫色に赤、黄色、オレンジに白、他にもたくさんの色を咲かす花だ。
どうして彼が好きだったのか、それすら今では分からない。
花言葉を調べようとしたが花の名前が分からなくて結局駄目だった。
でも、育てていたい。
彼を忘れてしまわないように。
青年は私が“変わらない”ことに気がついたようだ。
目を見開いて眉をひそめただけで、驚きを笑顔に隠した。
恐怖、という感情が見えなかったことが嬉しかった。
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