第一章

6/22
前へ
/95ページ
次へ
「少女は誰?」 「こいつは僕の幼なじみだよ。まさか、ついて来るなんて…」 「質問に答えて」 状況に頭がついていかないのに、二人は言い争いを始めてしまった。 聞き流していると急に話を振られた。 「あなた随分と変な姿ね。」 さすがにこれにはムッときた。初めて合って、私の見た目だけで何を偉そうに言っているのだ。 「礼儀のなっていない小娘に、とやかく言われる筋合いはない」 「なっ。誰が小娘ですって!?」 「大体、目上の人に会っておいて挨拶もしない礼儀知らずが何の用だ。」 「ーーっ!」 顔を真っ赤にして俯いた。 青年はどちらに味方していいのか分からず、間を行き来していた。 「もう帰れ」 「でもっ!!」 青年は何か言おうとして、やめた。 少女の手を引き街へ帰る道を進んだ。 そう、それでいいんだ。 こちらを振り向いた青年に微笑むと、彼は泣きそうな顔をした。
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加