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「少女は誰?」
「こいつは僕の幼なじみだよ。まさか、ついて来るなんて…」
「質問に答えて」
状況に頭がついていかないのに、二人は言い争いを始めてしまった。
聞き流していると急に話を振られた。
「あなた随分と変な姿ね。」
さすがにこれにはムッときた。初めて合って、私の見た目だけで何を偉そうに言っているのだ。
「礼儀のなっていない小娘に、とやかく言われる筋合いはない」
「なっ。誰が小娘ですって!?」
「大体、目上の人に会っておいて挨拶もしない礼儀知らずが何の用だ。」
「ーーっ!」
顔を真っ赤にして俯いた。
青年はどちらに味方していいのか分からず、間を行き来していた。
「もう帰れ」
「でもっ!!」
青年は何か言おうとして、やめた。
少女の手を引き街へ帰る道を進んだ。
そう、それでいいんだ。
こちらを振り向いた青年に微笑むと、彼は泣きそうな顔をした。
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