はるにれ君

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昨日は竜巻の中を歩いて来たみたいに全体的にボサボサだったし、今日は髪の毛が右側になびいていて、ピューと吹くジャャガーみたいになっていた。一体どうやって寝たらそんな寝癖がつくんだろう? クラスの自称・イケてる男子は、中学生の分際で、「香水が~」とか「ワックスが~」とか言ってるのに、はるにれ君は超自然派だ。 きっと寝て起きて、そのまま学校に登校するのだろう。せめて、顔くらいは洗っていますようにと願う。 はるにれ君は無口な人だった。 教室の片隅でいつもぼぅとしているか、そうじゃない時は机にへばりつく様に、ノートや教科書に何かを書き込んでいた。 休み時間も勉強してるなんてガリ勉だな。そんな姿勢だから目が悪くなるんだよ。 そう思いながら、いつも私ははるにれ君の事を遠くから眺めていたんだ。 はるにれ君は不思議な人だった。 クラスメイトが(その寝癖とメガネ以外は)存在をたまに忘れる位に目立たなかった。 物静かで地味だけど、孤立している訳じゃない。話しかけられれば話すし、誰かと行動する事だってある。 クラスの中にはるにれ君の居場所は、確かにあった。 image=487770102.jpg
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