まえがき

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 舌が執拗に蕾をなぞり、ほぐすように優しく指が抽挿する。それが気持ち悪くてたまらないのに、身体が言うことを聞いてくれない。 「もういいだろっ。早く入れてさっさと終わらせろ」 「気持ちいいのはお嫌いですか?」  以前の口調で言ったあと嗤うこいつの声に虫酸が走る。 「まあいい。お望みとあらば挿れてやるよ」 「……っぁあ!」  一気に押し入ってきた痛みに喘ぐ。  そこが引き裂かれたように熱くなった。 「きっついな……だが、いい。やっぱり相性は悪くない……っ」  ごちゃごちゃ言ってないでさっさと終わらせてくれ。  そこに快楽なんてひとつもなく、あったのは痛みだけだった。  段々激しくなる抽挿に眉間にしわが寄る。万が一にも声が出ないように唇を噛み締めていた。
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