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「放せ歩。俺はまだやることがあるんだよ」
抱きついたとき血の匂いと火薬の匂いを感じた。
おそらく久保はもうこの世にはいない。そしてそうしたのは凌駕だ。
凌駕は五代目として初めての仕事をした。それがきっと凌駕をこんなふうにしたんだろう。
「五代目としての仕事をしたんだな」
より強く抱きしめると、強ばっていた凌駕の身体から力が抜ける。
「……お前には、知られたくなかった」
「今さらだろう。お前がそういう家業だってことはガキの頃から知ってる」
「それでも……それでも、お前には知られたくなかったんだ」
汚い部分を俺には見せたくない。その気持ちをうれしく思った。
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