まえがき

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「俺はお前を守ることはあっても殺すなんて絶対にしない。誓ってだ」  その言葉に頷く。 「ただ、一緒に死ねたら最高だよな」 「ああ。そうだな」  置いていくのも置いていかれるのも嫌だ。それなら一緒に死ねたらいい。 「まあ、ずーっと先の話だけどな」  首を引き寄せられて唇を重ねる。  やさしいとか甘いとか。俺たちにはあまり縁がないしそれを望んだこともない。  ただいつか燃え尽きるそのときまで、一緒にいられたらいいなって、それだけだ。 「歩」  唇を離した凌駕が囁く。 「なんだよ」 「愛してるぜ」  吐息のかかる距離。  俺も凌駕に囁いた。 「俺も、愛してるよ」                   終わり
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