583人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
俺がソファーに座って直ぐに亜輝が風呂から出てきて俺を睨む。
ああはいはい。早く帰れって事か。でもガキはもう寝る時間だ。
「亜輝、お前もう寝る時間だろ。疲れてるだろうからもう休め」
ニヤリと笑って言ってやると、歩が近くにいないのを良いことに俺のところへやってきた。
「凌駕こそ早く帰れば。人の家に遅くまでいるなんて非常識だね。べーっ」
ったく可愛くねえなこいつ。まあ、俺も大人げないか。
「へいへい。じゃあ俺はそろそろおいとましましょうかね」
そう言った途端、亜輝は腰に両手を置いて俺を見下ろすと、顎で玄関を指し示す。
かぁー! 可愛くねえガキ。
「歩、じゃあ俺そろそろ帰るわ。また明日な」
うしろ髪を引かれる。
俺だけ気持ち良くなった事に罪悪感すら感じてしまう。
だけど歩は特に気にしたふうもなく、じゃあなと言って俺を見送った。
最初のコメントを投稿しよう!