美獣の弟

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 俺がソファーに座って直ぐに亜輝が風呂から出てきて俺を睨む。 ああはいはい。早く帰れって事か。でもガキはもう寝る時間だ。 「亜輝、お前もう寝る時間だろ。疲れてるだろうからもう休め」  ニヤリと笑って言ってやると、歩が近くにいないのを良いことに俺のところへやってきた。 「凌駕こそ早く帰れば。人の家に遅くまでいるなんて非常識だね。べーっ」  ったく可愛くねえなこいつ。まあ、俺も大人げないか。 「へいへい。じゃあ俺はそろそろおいとましましょうかね」  そう言った途端、亜輝は腰に両手を置いて俺を見下ろすと、顎で玄関を指し示す。  かぁー! 可愛くねえガキ。 「歩、じゃあ俺そろそろ帰るわ。また明日な」  うしろ髪を引かれる。  俺だけ気持ち良くなった事に罪悪感すら感じてしまう。  だけど歩は特に気にしたふうもなく、じゃあなと言って俺を見送った。
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