583人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
俺たち二家族は県内にある小さな水族館に出掛けた。
俺と歩は親たちから離れて二人で館内を見て回り、気付いた時には楽しみにしていたイルカのショーは終わってしまっていた。
俺よりも楽しみにしていた歩は大泣きして何をしても泣き止まなかったのに、目に入った土産コーナーでイルカのフロッキーキーホルダーを見つけて、それをもらっていた小遣いで二つ買ってその内の一つを歩にやるとピタッと泣き止んだ。
『あゆむ、今日はこれでがまんしろ。俺が大人になったらでっかいプールを作ってそこでイルカを飼って毎日お前にショーを見せてやるからな!』
『りょうが……うん! ありがとう』
『これは、俺とお前の約束のあかしだ!』
そう言ってお揃いのキーホルダーを見て二人で笑い合った。
最初のコメントを投稿しよう!