野獣は夜に目を醒ます

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「懐かしいな。あのキーホルダーどうした? 俺はまだ持ってるぜ」 「馬鹿、そんな昔のもんもう無いに決まってんだろ」 「ふっ。そっか」  そうして俺たちはチケットを買うと館内に足を進め、亜輝に引っ張られながらたくさんの魚を見て回った。  するとイルカのショーを始める館内放送が流れ、ぞくぞくと人が流れ出し、俺たちもショーを見るために移動して見やすい席に三人並んで座る。 「うわあ、すげえ! イルカだけじゃなくてシャチとかもいるよお兄ちゃん!」 「本当だな。ここだと水がかかったりするかもな」  そんな事もお構いなしに亜輝は目をキラキラさせてショーを見ていた。
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