野獣は夜に目を醒ます

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 数時間後。風呂から上がった俺たちはそのままベッドへなだれ込み二人で横になった。 一日運転していたことに加え、さっきの情事で疲れた凌駕はすぐに眠りについたようだ。  俺は洗い物をしていない事に気付き、ベッドからそっと抜け出すと台所に向かう。  冷してあったコップを洗い、朝食の材料をチェックした俺は、電気を消して再び部屋に戻った。  そしてそっとベッドに腰を降ろし、今朝の水族館での会話を思い出す。  幼い頃にした凌駕との約束。イルカを自宅で飼うなんて本当何も知らない子供の発想だよな。  そう思いながら、ヘッドボードの引き出しを開けた。
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