583人が本棚に入れています
本棚に追加
信じられなかった。久保がそこまで考えていたなんて。
銀龍会と話をつけたなんて口先だけの嘘は通用しない。そうなれば凌駕は本当に銀龍会と話をつけに行くだろう。
久保の言うとおりなら、おそらく銀龍会はそんな凌駕の足をすくうはずだ。神谷組を蹴落とすだけならまだいい。だけどそこに血が流れるのは目に見えている。そうなれば凌駕だけじゃなく、組ごと消滅させることも厭わないかもしれない。
久保よりももっとずっと大きなモノを手に入れるわけだ、銀龍会は。
そう考えた途端、凌駕のことが心配になった。最近やっと五代目の自覚が出てきたとは言えまだまだ若い。子どものころからそういう環境で育ったと言ってもその世界に身を置いたばかりだ。そんな凌駕が銀龍会の上を行けるとは思えなかった。
最初のコメントを投稿しよう!