まえがき

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 寒い。身体が震える。それを恐怖からくるものだと思ったらしい久保が俺の腰を持ち上げる。 「俺に犯されるのがそんなに怖いのか。二回目だっていうのに可愛いところもあるんだな。ひどくしてやろうと思ったが気が変わった」  何をするんだとなんとかうしろを見る。  久保が俺の蕾に舌を這わせた。 「ふざけんなっ、やめろ!」  ひどくされた方がどれだけましか。痛くされた方がどれだけ楽か。  こいつとセックスなんてするつもりはない。これはただのレイプなんだ。即物的な行為じゃなくなったとき、痛みより快楽が勝ったとき、俺は自分を許せなくなる。
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