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  貴子が裏口外で聞いているなどと思うはずもない 高宮夫人は続ける。 「それに優奈がとてもカレになついていて…。 どんなに美奈がカレがいいといっても、 優奈がウンと言わなければ、絶対に許しはしなかった。 ・・・優奈に肩身の狭い思いなんてさせられない。 だけど、優奈はカレに本当の父以上に懐いていて 今回の軽井沢に付いて行くと泣き喚いた程・・・」 『・・・カルイザワ・・・』 激しく鼓動を始めた胸が苦しくなって 貴子はその場にしゃがみこんだ。 そして、それ以上聞く事を恐れるように 耳を塞ぎ、目を閉じた。
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