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貴子の努力も虚しく、高宮夫人は続ける。
「今回もカレと美奈が父の所に行くのに
優奈が付いて行くと言って聞かなくて…。
大事な話があるから、と
私と美奈で言い聞かせたけどダメだったの。
でも、出立の朝、
カレが今度水族館に連れていく、と約束して
ようやく泣き止んだの。
それに、前に動物園に行った時
カレに買ってもらったぬいぐるみをどこに行くにも
連れていくほど、大事にしてて…」
「もう既に完璧な家族ですわ。」
「そうです。これが運命だったんです。」
…そうね…、と高宮夫人が呟く。
「そうなのでしょうね。
私も今回、ようやく、そう確信したの。
カレの胸の中で泣き疲れて眠る優奈を見て・・・」
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