壱
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うっ…、と再び戻しそうになって 貴子は洗面所へ駆け込んだ。 そして、空っぽの胃から胸が焼けるような苦味と酸味を 伴った胃液を何度も吐き出した。 胃液すら吐き出せなくなった後も暫く 貴子はその場にへたり込んでいた。 そして、部屋が夕闇に包むと ようやく腰を上げた。 夕食の準備はもちろんカーテンすら閉める事もせず、 自室へ引き籠った。
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