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参
ピッピピィー、ピッピピィー・・・
けたたましく鳴り響く電子音に
貴子は重い身体を起こした。
そして、適当に準備を済ませ、部屋を出る。
タクシーを拾うと、運転手が心配そうに尋ねた。
「大丈夫ですか?救急車、呼んだ方が・・・」
水すら口にしていない彼女の顔は
真っ青を通り越し、真っ白になっていた。
生気のない顔に今にも倒れそうな弱々しい身体。
貴子はフルっと一度首を横に振り、掠れた声で囁く。
「大丈夫です。○○までお願いします。」
ですが、と運転手は口にしたが、座席に凭れかかる
ようにして目を閉じた貴子を見て、従った。
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