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  貴子は弱々しく反対する。 「…ダメよ。悪いわ…。 折角時間を取っていただいて・・・」 歩は鋭く吐き捨てる。 「そんなんどうでもいいっ!!」 歩は僅かに目を見開いた貴子の肩を抱き 自分の膝にゆっくり横たえた。 「…ごめん。私が気付くべきだった。 無理させている自覚あったのに…」 ちがうわ…、と貴子が遮ると 歩は泣きそうな顔で下唇を噛み、 貴子の目を手で覆う。 「とにかく、今は休んで。 病院で検査を受けなきゃ…」 ホテルでは結局一睡もできなかった貴子だったが 歩の暖かな匂いに少し安心して 静かに目を閉じると、すぐ眠りに落ちた。
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