7人が本棚に入れています
本棚に追加
貴子は弱々しく反対する。
「…ダメよ。悪いわ…。
折角時間を取っていただいて・・・」
歩は鋭く吐き捨てる。
「そんなんどうでもいいっ!!」
歩は僅かに目を見開いた貴子の肩を抱き
自分の膝にゆっくり横たえた。
「…ごめん。私が気付くべきだった。
無理させている自覚あったのに…」
ちがうわ…、と貴子が遮ると
歩は泣きそうな顔で下唇を噛み、
貴子の目を手で覆う。
「とにかく、今は休んで。
病院で検査を受けなきゃ…」
ホテルでは結局一睡もできなかった貴子だったが
歩の暖かな匂いに少し安心して
静かに目を閉じると、すぐ眠りに落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!