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  次に目を覚ました時、既に夕闇が病室を包んでいた。 ゴソッと動いた貴子に 隣でパソコンを叩いていた歩がすぐ気がつく。 「起きちゃダメ。とにかく安静にって・・・」 貴子は大人しく従い、ベッドに身を沈めた。 歩が看護婦を呼び、医者が貴子の調子を確認する。 一通り診断を終えた後、医者は冷淡な調子で命じる。 「とにかく、2,3日入院して体力を戻し 検査が受けられるまで待ちましょう。 検査の後、確定診断を行いますから。」 では、と背を向けた医者に歩が質問を投げかける。 「待ってください。 今はどういう状況かだけでも説明してもらわないと・・・」 医者はいかにも面倒くさそうな顔で振り返る。 「今、分っていることは彼女は過労状態にある と言う事だけです。休んでください。」
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