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  そんな医者たちに父は怒り、兄は憤った。 だから、子どもの頃はよく病院廻りをしたものだ。 どこかにいる名医という存在を求めて・・・ なぜ、倒れてしまうのか… なぜ、立てなくなるほど、息苦しくなるのか… その理由も原因も検討が付かない。 でも、何の前触れもなく、突然、それは起こって。 暫く貴子は布団から出ることも出来なくなるほど 衰弱した。 仮病だと疑われ、精神的なモノと切り捨てられる度 貴子は自分が出来損ないの人間と 言われているようで辛かった。 そして、言いようのない不安にいつも駆られた。
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