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  だが、間の悪い事に 裏口傍にある宅配ボックスに寄った高宮夫人に 付き従って、太田達が裏口まで来ていた。 スッと身を隠した貴子の所に彼女たちの会話が届く。 「優奈を送りに行ったついでに、家の事を少し、ね。 あの子、今朝まで父の所だったから 主人に今日は休みを取らせるようにいったの。」 そうでしたか、と太田が頷く。 「頭取のお加減、随分、良くなられたとか…。 本当に安心しました。」 「ええ、おかげさまで。 後継者を見定めるまで、まだまだ、現役を続ける、 なんて言って、弟を困らせているのよ。」 イエイエ、と沼田が答える。 「副頭取もさぞ心強い事でしょう。」
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