7人が本棚に入れています
本棚に追加
肆
翌朝、貴子が目を覚ますと
異様な光景が広がっていた。
それは貴子の個室に
医院長以下全ての医者が勢ぞろいし
先日の傲慢な態度などなかったかのように
担当医が貴子に傅く。
「体調はいかがですか?
食欲はどうでしょう?何かあれば、なんなりと・・・」
えっ・・・、と貴子は戸惑い、
まだ来ていない歩が何かしたのかと気を揉む。
初老の医院長は担当医を下がらせ、
貴子に不気味なほど崩した笑みを見せる。
「昨日はご挨拶にも伺わず、失礼致しました。
何かありましたら、私の方に直接言って頂ければ
すぐに対応しますので…」
最初のコメントを投稿しよう!