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  違いますっ、と太田が大袈裟に騒ぐ。 「そもそも、取引をたてに世間知らずの娘を 将来有望なカレに押し付けるなんて卑怯な真似を・・・」 そうね…、と高宮夫人は物憂げに答える。 「主人はそういう所を・・・。 出世や権力より、一つの約束を大切に出来る男だから カレは素晴らしい、と高く評価しているんですよ。 私もそう思います。 でも、カレが縁談を受け、結婚した時 私はあの子に言い聞かせたの。 これが貴女とカレとの運命だったのだと・・・。 だから、新しい候補を見つけ、 美奈も一度はそれを受け入れたのだけど…」
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