last special【新婚旅行】

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「もうやだ!!あっち行って!」 「やだ。」 「何であの人?何でキス?ワケわかんない!」 「罪滅ぼしだって。俺を逃がすためのキス。」 「そんなの知らない!」 「ん。ゴメン。」 「私が行けば良かった!」 「…瑞樹。こっち見て。」 「海斗が困ってるのに!」 「瑞樹。」 「アイドルの顔にムカついた!今は私の海斗なのに!新婚旅行なのに!!」 ポタポタ流れ落ちる滴を払うと、瑞樹から溢れる滴を舐めとる。 水をかけたのは、キスされた俺の唇を洗うため。 泣いてるのは、嫉妬と自己嫌悪。 お前のことなら何でも分かるよ。瑞樹。 予想が外れたら、今みたいにぶつかってくれたらそれでいい。 俺はどんなお前だって受け止めるから。 だから、俺から離れるな。 抵抗する瑞樹を押さえ付け、何度もキスをした。 俺がキスしたいのは瑞樹だけ。 そう伝えるように何度も。 「…っ……はっ……」 「ゴメン瑞樹。俺が悪かった。」 「……ん…やっ!」 「瑞樹。…………瑞樹。」 夢中でキスに溺れるのは俺の方。 こいつの反応が俺を煽るから。 そして、気持ちいいと思えるキスは、お前だけだから。
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