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「要。」
部屋へと続く階段を上っていく唯を見て、俺もあとに続こうとしたとき、まこにいに声をかけられた。
「…なに。」
「まだ…そう、なのか…?」
まこにいは俺が唯を好きな事を知っている。
「…うん、残念ながら。」
苦笑混じりにそう言うと、まこにいは近づいてきて、
「…何かあったら俺に頼っていいからな。」
俺の頭をなでて、リビングに歩いていった。
(珍しいな。)
いつもは静観している感じだったから、まこにいに優しい言葉をかけられて、少しびっくりした。
…びっくりしたけれど、まこにいの言葉のおかげで、心がふわっと軽くなった気がした。
(…嬉しい、な。)
俺は少し明るい気持ちで、唯の部屋に向かった。
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