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解かれてもなお、縛られた手首は痛い。縛られた部分と書棚の柱に当たった部分が赤紫にうっ血していた。 足枷のほうがまだ痛くない。 「美咲、ごめん。役に立てなくて」 「だから大変なの!」 「大変って」 「中断してるの」 「何が」 美咲の顔を見上げる。血相を変えて私を見つめていた。
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