side girl

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「...来ると思った」 放課後の国語科準備室。いつもの位置に先生がいる。 「先生...なんでいつも金木犀を見ていたの?」 もう、先生に会えないならちゃんと聞いておこう。 最後の秘密にしよう。そう思って私は先生の隣に並んで尋ねた。 「あの木、俺がここにいた時はまだ小さくて花も少ししか咲いてなかった。だからここにいてもあの甘い香りなんかしなかったのにな...」 先生は私の手の上に小さなカップケーキを乗せた。 「俺ね、好きな女がいた。お前と同じ15のとき。相手は...俺の学年の国語の先生。ちょうどお前と俺の同じで、年が一回り違ってた。まぁ、ただの片思いだけどな?」 「え、先生27なの?もっと若いと思った」 「うっさい。気にしてること突っ込むな。それでな、その先生が国語の先生だった。担任でもあった彼女はちょうど思春期の反抗期な俺に親よりも親身に接してくれたんだよ。  ...本気で好きだった。憧れなんかじゃない...あれは俺の...初恋だったと思う。」 【憧れ】【恋】...それは先生が私に使った言葉。 「先生...あの時私に言った言葉...その先生に言われたの?」 無意識に先生のスーツの裾をきゅっとつかんでしまった私はそのまま先生を見上げた。 先生は「ホント、君は名前の通り【素直】だね。」って言いながら窓の外に目をやってぽつりぽつり話し出した。 「...言われた。ついでに殴られた...無理やりキスしたから」
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