34* 反転攻勢(2)

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私は祈るような気持ちで拓真を見つめた。 拓真はマウスをカチカチと鳴らして、画面上に何かのファイルを呼び出した。 「何のファイルかしら……」 いつの間にか隣に美咲が来ていた。 「画像でも文書でも無さそうだけど」 「うん。でも吉村さんって……」 壇上のスクリーンは白いまま。でも両脇のスピーカーからガサガサと雑音が流れ始めた。そして電子音。 「ん? 聞いたことある音……」 「エレベーターの到着音じゃない?」 うちの会社のエレベーター。ということはエレベーターホールかエレベーター内で録音されたもの……?
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