34* 反転攻勢(2)

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「総務部秘書課、飯島美咲……? 飯島君のサインと印鑑じゃないか」 「いったいこれは」 ザワザワとする中、ひとり濱田常務だけが黙って顔を真っ赤にしていた。眉を引きつらせ、膝の上で握っている両拳をブルブルと小刻みに震えさせて。 拓真もポカンとしてスクリーンを見上げていて、私の顎を掴んでいた指の力が抜けていた。 ──今だ!
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