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「理彩、着いたよ」
「はい」
蕾斗さんに手を引かれ、そのままアパートに入った。
「適当に座って」
「はい」
周りをぐるりと見回すと、部屋にあるもののほとんどが黒で統一されていた。
凄くシンプルで落ち着いた部屋。
しかも綺麗に片付いている。
大和の部屋なんて足の踏み場もないほど汚かったもんな。
……って、蕾斗さんと大和を比べるなんて蕾斗さんに失礼か。
そんなことを考えていると、蕾斗さんがホットコーヒーを二つ持って戻ってきた。
「そういえば理彩、誕生日おめでとう」
「あ、覚えていてくれたんですか?」
「まあな。だってさ、1、2、3だろ? ぜってぇ忘れねぇって言ったじゃん」
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