812人が本棚に入れています
本棚に追加
「まあいいや」
蕾斗さんは苦笑しながらそう言って、またキスをした。
今度は啄むようなキスから始まり、だんだん深くなって舌が絡まる。
「……んッ……」
苦しいっ。
そう感じたとき唇がようやく離れたけれど、息があがってうまく呼吸ができない。
「理彩、可愛い」
「……」
その言葉は凄く嬉しいんだけれど、いつもこんなことを言っているのかな。
知らないうちに顔が歪んでしまう。
「どうした?」
「……いつも、ですか?」
「何が?」
「……そんなこと、言うの」
「そんなこと?」
蕾斗さんはなんのことかわからないのか、首を傾げている。
そんな蕾斗さんを前に、俯きながらぼそぼそと言葉を発した。
「……『可愛い』とか……」
「言わねぇよっ! 理彩にしか言ったことねぇよっ!」
ちょっぴり声を荒げて言った。
最初のコメントを投稿しよう!