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「電車で理彩と出会ってからのこの二ヶ月、女と身体の関係はもってねぇよ」
どきどきと鼓動が早くなる。
「理彩、……俺、おまえのことが好きだ。俺と付き合ってくんねぇか?」
どうしよう……
心臓がばくばく言っていて、自分のものじゃないみたいで、蕾斗さんに言われたことも現実かどうかわからない。
どうしていいのかわからなくて、とりあえず蕾斗さんの胸を押して離れる。
視線を上げて、蕾斗さんを見上げると、トクンッ――と心臓が跳ねる。
蕾斗さんは凄くやさしい顔であたしを見ていた。
この状況が夢なのか現実なのか区別がつかない。
「理彩」
蕾斗さんが親指でやさしくあたしの涙を拭いて、そのまま大きな掌であたしの頬を包んだ。
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