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「大丈夫?」
そう言って千洋くんが、私の頬を撫でる。
「痛かった?」
それに関しては、思っていたほどではなかったので、小さく首を横に振る。
そして、彼の胸に顔を埋めた。
「なんで?」
不思議そうにそう呟いた私に、もっと不思議そうな、
「えッ?」
が返って来る。
「なんで今日だったの?制服着るのが最後だったから?」
私がそう尋ねると、
「制服?あぁ、それはあくまでもついで。実は、卒業式を待ってた」
そう言いながら、私の髪を撫でた。
「卒業式?」
そう聞き返したけど、千洋くんの興味はもう既に別の場所に移っていて……。
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