13.卒業【無修正版】

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 高瀬家本家の自室に戻ると、珍しく千洋くんの方が先に帰っていた。  今日はてっきり松坂さんはじめあの派手なグループの面々と遊び歩くのかと思っていた。 「早いね」  私がそう言って話掛けると、ベッドの縁に座っていた千洋くんが不意に右手を差し出した。  グウにして前へ突き出す形。  私が千洋くんのグウの下にパアで手を広げると、千洋くんの指が開き、私の手の平に小さな銀色のリングが落下した。 「結婚指輪?」 「そう」  そう言いながら私に見せた千洋くんの左手薬指には、既にソレが光り輝いている。  婚姻届を出したその日に一度だけ付けた指輪。  あとは半年、机の引き出しにケースごとしまわれていた。  そっと指にはめる……なんか変な感じ。
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