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Ⅰ.対面
十二月一日、日曜日。夜九時を過ぎた頃だ。俺の部屋の呼び鈴が鳴った。俺の部屋と言うのは、俺が今住んでいるアパートの一室だ。俺はここで独り暮らしをしている。
こんな時間に誰だ? 新聞の勧誘が来る時期でも無いし、公共料金も学校を通して支払われるから直接徴収に来る事も無い。特に友達と約束もしてないし、日曜のこんな時間に来るヤツなんて俺は知らない。
鍵を開けドアを開くとそこには一人の女性が立っていた。年上だろうか、大人びた雰囲気がある。腰くらいまである黒髪と白い肌、端正な顔立ち、赤い縁のメガネをかけており、その奥にある切れ長な目が怪しく光る。ちょっと危険な香りのする美女だ。服装は赤いセーターの上に丈の長い白衣を羽織って、下はタイトな黒のミニスカートを穿いている。足元はなぜかツッカケだ。身長は165センチくらいだろうか。ふくよかな胸、くびれた腰、ツンとしているヒップ、白衣越しでもスタイルがいいことが分かる。
とにかく俺の頭の中にこの美女の記憶は無い、初対面だ。
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